top of page

パーソナリティーの障害って何んだろう


パーソナリティー障害でいうパーソナリティーと心理学でいうパーソナリティーや一般的に言われる個性と厳密に違うといわれています。

パーソナリティー障害は精神疾患や脳器質性病態ではありません。パーソナリティーの傾向が著しく偏り、認知・行動・対人関係・感情が社会・集団で適応ができなくなっています。しかもその非適応が持続している。パーソナリティーの傾向の著し偏りとは、その方が関わっている集団や文化から期待されたものから大きくかけ離れたものです。そのことが長期にわたって続き本人もそれで生活に困ってしまいます。

著しくかけ離れたものとは認知・感情性・対人関係機能・衝動の制御のうち2つ(それ以上)の領域に現れます

その持続は柔軟性がなく個人的、社会的に幅広いひろがりがある。

その持続様式は臨床的苦痛、社会的、職業的また他の重要な領域で機能障害をおこしている。

その様式は安定し長期間つづく。その始まりは少なくても青年期または青年期早期にまでさかのぼることができる。

その持続様式は、ほかの精神疾患の表れ、またはその結果ではうまく説明されない。

その持続様式は、物質(薬物)または一般身体疾患(頭部外傷など)直接的な生理学的作用によるものではない。

10のパーソナリティー障害が3群に大別される。(下記)

厚生労働省のサイトに次のように分類されていました。(アメリカ精神医学会の診断基準)

A群(奇妙で風変わりなタイプ)

妄想性パーソナリティ障害 (広範な不信感や猜疑心が特徴)

統合失調質パーソナリティ障害 (非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴)

統合失調型パーソナリティ障害* (会話が風変わりで感情の幅が狭く、しばしば適切さを欠くことが特徴)

B群 (感情的で移り気なタイプ)

境界性パーソナリティ障害 (感情や対人関係の不安定さ、衝動行為が特徴)

自己愛性パーソナリティ障害* (傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわるのが特徴)

反[非]社会性パーソナリティ障害 (反社会的で衝動的、向こうみずの行動が特徴)

演技性パーソナリティ障害 (他者の注目を集める派手な外見や演技的行動が特徴)

C群 (不安で内向的であることが特徴)

依存性パーソナリティ障害 (他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴)

強迫性パーソナリティ障害 (融通性がなく、一定の秩序を保つことへの固執(こだわり)が特徴)

回避性[不安性]パーソナリティ障害 (自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴)

※ICD-10で該当するタイプの名称を大括弧内に示す。

*印はICD-10にないもの。なお、ICD-10では、境界性パーソナリティ障害は情緒不安定性パーソナリティ障害の下位分類のひとつである情緒不安定性パーソナリティ障害境界型と位置づけられている。

(厚生労働省の抜粋)

これらのパーソナリティ障害の共通の特徴としては、発達期から(遅くとも思春期から成人期早期から)その徴候が認められること、認知、感情、衝動コントロール、対人関係といったパーソナリティ機能の広い領域に障害が及んでいること、その徴候が家庭や職場など広い場面で見受けられるなどを挙げることができます。

アメリカの研究では、人口の15%の人がパーソナリティ障害であると報告されています (Grantら2004)。しかし治療につながる例は少なく、実際に医療機関を受診するのは、他の精神障害を合併しているケースがほとんどです。 他の精神障害の合併については、境界性、反社会性パーソナリティ障害と薬物依存、回避性、依存性パーソナリティ障害とうつ病、回避性パーソナリティ障害と社交不安障害など、とくに結びつきが強い組み合わせがあることが知られています。 医療機関を受診するケースが最も多いのは、若い女性に多くみられる境界性パーソナリティ障害です。境界性パーソナリティ障害の方は、しばしば自殺未遂や自傷行為を行うことがあるので、救急医療機関につながるケースも少なくないようです。 パーソナリティ障害の原因は、まだ十分に明らかになっていません。しかし現在急ピッチで解明が進められていて、生物学的特性や発達期の苦難の体験が関連していることがわかっています。たとえば、衝動的な行動パターンは中枢神経系を制御する神経伝達物質であるセロトニンが作用している神経系の機能低下によるものだと考えられています。また、養育者が身近にいられなかったなどの養育環境が不十分だったことや、養育期につらい体験をしたことなどが、発症と関連しているともいわれています。

(厚生労働省抜粋終了)

参考

閲覧数:22回0件のコメント
bottom of page