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眼瞼痙攣


眼瞼痙攣(がんけんけいれん)は、自分の意思とは無関係にまぶたが痙攣し、開けにくくなる病気です。

ボツリヌス毒素注射が第一選択: 多くのガイドラインで、ボツリヌス毒素注射が最も効果的な治療法として推奨されています。

当院はボットクス注射以外方法で取り組んでいます。


原因

眼瞼痙攣の明らかな原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、以下の要因が関連する可能性が指摘されています。

  • 脳機能の異常: まばたきや目の開閉を制御する脳の神経回路に異常が生じることがあります。特に、大脳基底核という脳の深部の機能障害が関与していると考えられています。

  • ストレス: 精神的なストレスが症状を悪化させることがあります。

  • 薬剤: 睡眠薬や抗不安薬などの長期投与が原因となることがあります。

  • ドライアイ: ドライアイと合併することが多く、症状を悪化させる可能性もあります。

  • その他の目の病気: まつ毛内反や角膜異物などが原因で起こることもあります。

  • 全身性神経疾患: パーキンソン病などが原因となることもまれにあります。

症状

初期症状としては、以下のようなものが現れることがあります。

  • まぶしさ: 光を異常にまぶしく感じる。

  • 目の不快感: 目の周囲が重い、痛い、乾燥するなど。

  • まばたきの増加: 無意識にまばたきの回数が増える。

  • まぶたのぴくつき: まぶたがピクピクと痙攣する。

症状が進行すると、以下のようになります。

  • 目が開けにくい: 自分の意思で目を開けようとしても、うまく開けられない。

  • 目が閉じてしまう: 無意識に目が強く閉じてしまう。

  • 眼精疲労: 目が疲れやすく、重たく感じる。

  • ドライアイ: 目の乾燥感、異物感、ゴロゴロする感じ。

  • 視力低下: まぶたが十分に開かないため、見えにくくなることがあります。ただし、視力自体に問題があるわけではありません。

  • 日常生活への支障: 歩行や運転、家事などが困難になることがあります。

症状は通常、両目に現れますが、左右差があることもあります。また、精神的な緊張によって症状が悪化したり、診察室などでは症状が出にくいこともあります。

もし、これらの症状に心当たりがある場合は、眼科や神経内科を受診して相談することをおすすめします。

眼瞼痙攣における「脳機能の異常」とは、まばたきや目の開閉といった運動を制御する脳の神経回路、特に大脳基底核と呼ばれる部位の機能が正常に働かなくなる状態を指します。

大脳基底核とその機能

大脳基底核は、脳の深部に位置する神経細胞の集団で、主に以下の機能に関わっています。

  • 運動の制御: 運動の開始、停止、スムーズな実行、速度の調節など、複雑な運動プログラムの調整を行います。

  • 習慣的な行動の形成: 学習や経験を通して獲得した自動的な行動パターン(例えば、歩行、自転車に乗るなど)を円滑に行うために重要です。

  • 認知機能: 注意力、ワーキングメモリ、意思決定など、高次な認知機能にも関与していると考えられています。

  • 感情の制御: 気分や感情の調節にも一部関わっています。

眼瞼痙攣における大脳基底核の異常

眼瞼痙攣の原因は完全には解明されていませんが、大脳基底核の機能障害が、まぶたの筋肉の異常な収縮を引き起こすと考えられています。具体的には、以下のようなメカニズムが想定されています。

  • 運動抑制の異常: 大脳基底核は、不要な運動を抑制する役割も担っています。この抑制機能がうまく働かなくなると、まぶたの筋肉が意図せず過剰に活動してしまう可能性があります。

  • 運動指令の誤り: まばたきや目の開閉に関する運動指令が、大脳基底核で適切に処理されず、誤った信号が筋肉に伝わる可能性があります。

  • 神経伝達物質の不均衡: 大脳基底核の神経細胞間の情報伝達には、ドーパミンなどの神経伝達物質が関与しています。これらの物質のバランスが崩れることが、眼瞼痙攣を引き起こす一因となる可能性も指摘されています。

その他の関連する脳の領域

大脳基底核だけでなく、脳幹にある顔面神経核や、まぶたの感覚情報を処理する領域など、他の脳の部位の機能異常も眼瞼痙攣に関与している可能性が考えられています。

重要な注意点

「脳機能の異常」という表現は広範であり、眼瞼痙攣における具体的なメカニズムはまだ研究段階です。ストレスや薬剤、ドライアイなどが症状を悪化させることはありますが、それらが直接的な脳の病変を引き起こすわけではありません。

もし眼瞼痙攣の症状にお悩みでしたら、自己判断せずに専門医(眼科医や神経内科医)に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。


鍼灸療法

眼瞼痙攣に対する鍼灸治療は、症状の緩和や改善に役立つ可能性があるとされています。

鍼灸治療の考え方

東洋医学では、眼瞼痙攣は全身のエネルギー(気血)の不足や滞り、自律神経の乱れなどが原因と考えられます。特に「肝」と「脾」の機能失調が目に関わる症状を引き起こすとされています。

鍼灸治療では、以下の目的で施術が行われます。

  • 目の周りの血行促進: 目の周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与え、血流を改善し、筋肉の緊張を和らげます。

  • 全身の気血の調整: 全身のツボを刺激することで、気血の流れを整え、内臓の働きを活性化します。特に肝や脾に関わるツボが用いられます。

  • 自律神経の調整: ストレスや精神的な緊張が症状を悪化させる場合があるため、自律神経のバランスを整えるツボを選択します。

  • 根本原因へのアプローチ: 体質や症状に合わせて、根本的な原因に対する治療を行います。

期待される効果

鍼灸治療によって、以下のような効果が期待されています。

  • まぶたの痙攣の軽減

  • 目の疲れや不快感の緩和

  • 目の開けやすさの改善

  • ドライアイの改善

  • 精神的な安定

  • 全身のコンディションの向上

治療法

鍼治療では、目の周りだけでなく、手足や首、背中など全身のツボが用いられます。鍼は非常に細いものが使用され、痛みはほとんどありません。お灸は、直接皮膚に置く方法と、間接的に温める方法があります。



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