top of page

あなたの腰痛、もしかして頭鍼で解決できるかも?新しい選択肢

ree

腰痛に対する頭鍼の施術メカニズムは、東洋医学的な考え方と、近年明らかになってきた西洋医学的なアプローチの両面から説明できます。頭鍼は、脳に近い頭部の特定のツボ(経穴)や反応点を刺激することで、全身のバランスを調整し、痛みを緩和すると考えられています。


1. 脳への直接的な作用と神経伝達の調整


頭鍼の最も特徴的なメカニズムの一つは、脳への直接的・間接的な作用です。

  • 脳の活性化と脳血流の増加: 頭部の特定のポイントを刺激することで、大脳皮質の血流が促進されると考えられています。これにより、脳の機能が活性化され、全身の神経系に良い影響を与えます。

  • 脳内鎮痛物質の分泌促進: 鍼刺激は、脳内でエンドルフィンやセロトニン、ドーパミン、オピオイドなどの鎮痛物質の分泌を促します。これらの物質は、体内で自然に痛みを和らげる作用を持つため、腰痛の軽減に繋がります。

  • 下行性痛覚抑制機構の活性化: 脳には、痛みの信号を脊髄レベルで抑制する「下行性痛覚抑制機構」という仕組みがあります。頭鍼の刺激は、この機構を活性化させ、痛みの伝達を抑制することで鎮痛効果をもたらします。

  • 神経伝達の正常化: 過敏になった神経の興奮を鎮め、痛みの信号が過剰に伝達されるのを防ぎます。


2. 自律神経系の調整


腰痛、特に慢性的な腰痛には、ストレスや自律神経の乱れが深く関わっていることがあります。

  • 自律神経のバランス調整: 頭鍼は、副交感神経を優位にし、全身のリラクゼーションを促進する作用があります。これにより、ストレスで緊張している交感神経の働きが抑えられ、自律神経のバランスが整います。結果として、腰部の筋肉の緊張が緩和され、痛みが軽減する可能性があります。

  • 血流改善: 自律神経が整うことで血流が良くなり、腰部の筋肉や神経への酸素供給が改善されます。血行不良は痛みの原因となることが多いため、この改善は腰痛緩和に重要です。


3. 反射区・対応部位へのアプローチ


頭皮には、全身の臓器や部位に対応する反射区が存在すると考えられています。

  • 体性感覚野への刺激: 頭皮に身体の各部位に対応する反射区(体性感覚野に投射される領域)があると考えられています。腰痛に対応する頭部のポイントに鍼を刺すことで、その刺激が脳を介して腰部へと伝わり、痛みの緩和や機能改善を促します。

  • 全身の筋緊張の緩和: 頭皮のコリやむくみを解消することで、全身の筋緊張が軽減されることがあります。これは、頭皮と全身の筋膜のつながり(ファシアリリース)によるものとも考えられます。頭部に鍼を刺すことで、離れた部位である腰部の筋肉の緊張が緩むことがあります。


4. 運動鍼との組み合わせ


頭鍼の中には、鍼を刺した状態で患者に身体を動かしてもらう「運動鍼」という手法を用いるものもあります。

  • 即効性の向上と効果の定着: 運動鍼は、鍼刺激と運動を組み合わせることで、脳への刺激をより効果的にし、痛みの改善を促します。また、痛みのない状態で身体を動かすことで、脳に「痛みがなくても動ける」という新しい感覚を覚えさせ、効果の定着を促すと考えられています。


まとめ


頭鍼による腰痛の施術メカニズムは、頭部の特定の刺激が脳を介して全身に作用し、鎮痛物質の分泌、神経伝達の調整、自律神経のバランス改善、血流促進、そして全身の筋緊張緩和といった複合的な効果をもたらすことで腰痛を改善するというものです。特に、脳に直接的にアプローチできる点が、他の鍼灸治療とは異なる頭鍼の大きな特徴と言えるでしょう。












Comments


​© 2016 by yamane hari kyu seikotuin 

bottom of page