あまり科学的ではありませんが血液型で性格を分類している本も一時期はやっていました。(血液型については国が昭和の初期に統計的に調査して否定されていたにも関わらず今も信じている方がおられます。確か日本の軍隊における部隊編成に血液型が有効か調査していたと記憶しています。私が学生時代(40年ほど前)、たまたま図書館でその当時の本があって昔から血液型をパーソナリティーと結びつけいたのかとびっくりしましたが、当時の軍の研究で完全に否定されていたようです。)
パーソナリティーの分類は古代から色々ありました。専門的にいうと人間を大きく分類するのが類型論、パーソナリティーを細かく単位分けして量として数値で現わしたものが特性論です。
古い順に
ヒポクラテス(紀元前)四体液接(血液・粘液・黒胆汁・黄胆汁)当時人間は4つの体液で出来ており、その体液が混ざり合うと病気になる。黒胆汁が多いと憂鬱 黄胆汁が多いと怒りっぽい 粘液質の人は無感動、活気がない 血液質は快活で、楽天的
ガレノス (ギリシャ・ローマ時代)ヒポクラテスの説を気質とみなした。そしてそれを人間の性格、精神を説明するのに用いた。
四気質説 血液気質 楽天的、社交的
粘液質 冷静沈着
黒胆汁質 決断力があり、感情が激しく変化
黄胆汁質 憂鬱
クレッチマー(精神科医)精神疾患の種類と体型との関係(精神科入院患者8000人調査)
体型 細長型 分裂気質
肥満型 循環気質(躁鬱気質)
闘士型 粘着気質
特殊不整型
体型と特に以下の疾患との関連性を主張した。
統合失調症と細長型、肥満型、特殊不整型
躁うつ病と肥満型
てんかんと闘士型
統合失調症や躁うつ病にはパーソナリティー特徴(病前性格)があります。
クレッチマーに対する批判
統合失調症は躁うつ病より若い時に発病します、躁うつ病を発病するのは遅いので中年ぶとりではないが太っている場合が多い。
性格類型を特定の精神疾患に当てはめる必然性はない。
体型だけで気質やパーソナリティーを決められない。
現在では体型では類型できません。
シェルドンの類型論
体型分類
内胚葉型(ふくよか)
中胚葉型(がっちり筋肉質)
外胚葉型(やせている)
パーソナリティーの分類
内臓緊張型
身体緊張型
大脳緊張型
現在このシェルドンの類型論も否定されています。
ユングの類型論
関心が内向き(自分自身)向かうか(内向)、外向き(外界の対象)に向かうか(外向)で分類(自分のエネルギーが外に向かうか内側に向かうかで分類)
一般的に内向的、外向的と呼ばれるものとは少し違います。
4つの心的機能
思考タイプ 知的判断、概念的つながりを大切にする
感情タイプ 好き嫌い 快不快
感覚タイプ 感覚器官により現実把握
直観タイプ 現実属性よりもその背後にあるものをとらえる
の4つのタイプがありそのタイプごとに内向、外向を重ね合わせて全部で8タイプに分類されています。
思考と感情の軸は判断をあらわし合理的な軸とよばれています。(イメージ的には思考が上、感情が下の縦軸)感覚と直観の軸は非合理的軸と呼ばれています。(イメージ的には右が直観左が感覚の横軸)
類型論は全体像をみるのによいかも知れませんが過去の類型論(体型による分類)については否定的です。