迷走神経を活性化!過敏性腸症候群の症状緩和への道
- yamanehari777
- 6月5日
- 読了時間: 4分
更新日:6月6日

過敏性腸症候群(IBS)と迷走神経は密接に関連しており、「脳腸相関」という概念において重要な役割を担っています。迷走神経は、脳と消化管の間で双方向の情報のやり取りを行う主要な神経経路であり、その機能がIBSの症状に影響を与えると考えられています。
迷走神経とIBSの関連性
脳腸相関の中心: 迷走神経は、腸で生成されたホルモンや炎症シグナルを脳に伝え、脳の機能に影響を与えます。逆に、脳からのストレスが迷走神経を介して腸の機能に影響を与えることもあります。IBSの患者さんでは、ストレスや不安などの刺激に対して、腸が過敏に反応し、迷走神経を介して脳にその情報が伝わり、さらに脳がストレスとして認識するという悪循環が生じることが指摘されています。
腸内環境との関係: 腸内細菌が作り出す化学物質(短鎖脂肪酸など)が、迷走神経を通して脳を刺激し、慢性疼痛や消化管の症状を引き起こす可能性も示唆されています。また、腸内環境の変化が迷走神経を介して脳のセロトニン受容体に影響を与え、気分や感情に影響を及ぼす可能性もあります。
自律神経の乱れ: IBSでは、自律神経(特に副交感神経である迷走神経)の働きが低下し、交感神経が過敏になることで、腸の過剰な運動や痙攣、内臓知覚過敏が生じると考えられています。
過敏性腸症候群における迷走神経調整のアプローチ
迷走神経の機能を調整し、活性化することは、IBSの症状改善に繋がる可能性があります。以下に、そのアプローチをいくつかご紹介します。
生活習慣の改善:
ストレス管理: ストレスは迷走神経の働きを阻害するため、ストレスを軽減することが重要です。
リラックスできる活動(瞑想、ヨガ、深呼吸など)を取り入れる。
十分な睡眠をとる。
趣味や気分転換の時間を作る。
適度な運動: 運動は自律神経のバランスを整え、迷走神経を活性化する効果が期待できます。
食事: 腸内環境を整える食事は、迷走神経の働きをサポートします。
発酵食品(ヨーグルト、味噌、納豆など)を積極的に摂る。
食物繊維を豊富に含む食品を摂る。
加工食品や高脂肪食を控える。
特定の食品が症状を悪化させる場合は、低FODMAP食などを試すことも検討されます(医師や管理栄養士の指導のもと)。
迷走神経を活性化させる具体的な方法:
深呼吸: 特に腹式呼吸は、副交感神経を優位にし、迷走神経を刺激すると言われています。ゆっくりと深く息を吸い込み、長く吐き出すことを意識しましょう。
歌を歌う、ハミングする: 喉の筋肉を動かすことで、迷走神経が刺激されます。
冷水で顔を洗う(顔面を冷やす): 一時的に心拍数を下げる迷走神経反射を誘発します。
オメガ-3脂肪酸の摂取: 魚油などに含まれるオメガ-3脂肪酸は、迷走神経の緊張を高める可能性があるとされています。
プロバイオティクス/プレバイオティクス: 腸内環境を改善することで、間接的に迷走神経の働きをサポートする可能性があります。
医療的なアプローチ:
迷走神経刺激療法(Vagus Nerve Stimulation: VNS): 難治性のてんかんやうつ病などに対しては、電気刺激によって迷走神経を刺激する治療法が用いられることがありますが、IBSに対するVNSはまだ研究段階です。
経皮的耳介迷走神経刺激(taVNS): 耳介に電気刺激を与える非侵襲的な方法で、便秘型IBSの便秘と腹痛に有効性を示す報告もあります。
薬物療法: 症状に合わせた薬(消化管運動調整薬、整腸剤、抗うつ薬、抗不安薬など)が処方されます。近年では、特定の抗生剤(リフキシマなど)が腸内細菌叢をリセットし、IBSの症状を改善する可能性も注目されています。
鍼灸治療: 自律神経のバランスを整え、迷走神経の活性化、腸の血流改善、炎症抑制、脳のストレス反応抑制などに効果が期待されます。特に、腹部や背中のツボへの刺激が有効とされています。
心理療法(認知行動療法など): ストレスや不安がIBSの症状に大きく関与している場合、心理的なアプローチが有効です。脳腸相関を理解し、ストレス反応をコントロールする方法を学ぶことで、迷走神経の調整にも繋がります。
IBSの治療は、症状や原因が人それぞれ異なるため、個々に合わせたアプローチが必要です。迷走神経の調整は、IBSの根本的な改善を目指す上で重要な視点の一つですが、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導のもとで治療を進めるようにしてください。
山根はり灸整骨院ではtaVNSの周波数などを使用して迷走神経調整をしています。
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