めまいを感じたらコレ!自分でできる即効解消法
- yamanehari777
- 6月25日
- 読了時間: 15分
更新日:6月26日

めまいは不快な症状ですが、病院に行くほどではないと感じる場合や、すぐに病院に行けない場合など、自宅でできる対処法をいくつかご紹介します。ただし、めまいの原因は様々であり、重篤な病気が隠れている可能性もあります。症状が続く場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診してください。
前半はめまいのセルフケア(最も頻繁にみられるタイプのめまい良性発作性頭位めまい症(BPPV)について)
後半はメニエール病の対処法です。
「良性発作性頭位めまい症(Benign Paroxysmal Positional Vertigo:BPPV)」は、めまいの中で最も頻繁にみられるタイプの一つです。その名の通り、いくつかの特徴があります。
良性(Benign): 命に関わるような危険な病気ではないという意味です。
発作性(Paroxysmal): 症状が突然現れることを指します。
頭位性(Positional): 頭の位置を変えることによってめまいが誘発されることを意味します。
めまい症(Vertigo): 自分自身や周囲がぐるぐる回るような感覚(回転性めまい)を指します。
良性発作性頭位めまい症のセルフケア
1. 安静にする
横になる: めまいを感じたら、すぐに座るか横になりましょう。頭を低くし、目を閉じることで、症状が和らぐことがあります。
頭を固定する: 枕などを使って頭を固定し、余計な動きを避けるようにすると良いでしょう。
2. 環境を整える
暗く静かな場所: 明るい光や大きな音はめまいを悪化させることがあります。できるだけ暗く静かな場所で過ごしましょう。
換気を良くする: 締め切った空間は気分を悪くさせることがあります。新鮮な空気を取り入れるように換気を心がけましょう。
3. 飲食物に注意する
水分補給: 脱水はめまいを悪化させる可能性があります。こまめに水分を補給しましょう。特に水やお茶が良いでしょう。
カフェインやアルコールを控える: これらは血管を収縮させたり、脱水を引き起こしたりする可能性があり、めまいを悪化させる場合があります。
規則正しい食事: 低血糖もめまいの原因となることがあります。規則正しくバランスの取れた食事を摂るように心がけましょう。
4. めまいを誘発する動きを避ける
急な動きを避ける: 急に立ち上がったり、頭を急に動かしたりする動作はめまいを誘発しやすいです。ゆっくりと行動するように意識しましょう。
乗り物酔い対策: 乗り物酔いしやすい方は、事前に酔い止め薬を服用したり、進行方向を見るようにしたりするのも有効です。
5. ストレス軽減と十分な睡眠
ストレス管理: ストレスや疲労はめまいを悪化させる要因になります。リラックスできる時間を作り、趣味や軽い運動などでストレスを解消しましょう。
質の良い睡眠: 十分な睡眠を取ることは、体調を整え、めまいの改善にも繋がります。
めまいの種類と自分でできる体操
めまいの中には、特定の頭の動きによって誘発される「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」と呼ばれるものがあります。これは耳石器から剥がれた耳石が半規管に入り込むことで起こるめまいで、特定の体操で改善することがあります。
エプリー法(Epley maneuver)やブランダート・ダロフ体操(Brandt-Daroff exercises)などがありますが、これらは適切な診断のもとで行うべきもので、自己判断で行うと症状が悪化する可能性もあります。これらの体操を試したい場合は、必ず事前に医師に相談し、指導を受けてから行うようにしてください。
どんな時に病院に行くべきか
以下のような場合は、すぐに医療機関を受診してください。
激しい頭痛、しびれ、ろれつが回らないなど、めまい以外の神経症状がある場合
意識が遠のく、気を失うなどの症状がある場合
めまいが頻繁に起こる、または症状が長く続く場合
今まで経験したことのない強いめまいの場合
耳鳴りや難聴を伴う場合
ご自身のめまいの症状について心配な点があれば、お一人で悩まず、耳鼻咽喉科や神経内科を受診することをお勧めします。
エプリー法(Epley maneuver)は、「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」という特定の種類のめまいを治療するために用いられる理学療法の一種です。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)とは?
BPPVは、めまいの原因として最も多いものの一つです。内耳には平衡感覚を司る「前庭(ぜんてい)」と呼ばれる器官があり、その中には「耳石(じせき)」という小さな炭酸カルシウムの結晶があります。この耳石が何らかの原因で剥がれ落ち、隣接する「三半規管(さんはんきかん)」の中に入り込んでしまうことでめまいが起こります。
三半規管は液で満たされており、頭の動きに合わせて液が動くことで、その動きを感知します。しかし、耳石が入り込むと、頭を動かした際に耳石も動いて液の流れに異常な刺激を与え、それが回転性のめまいとして感じられます。特に、寝返りを打ったり、上を向いたり、下を向いたりするなど、頭を特定の位置に動かしたときにめまいが誘発されるのが特徴です。
エプリー法とは?
エプリー法は、三半規管に入り込んだ耳石を、再び元の位置(卵形嚢)に戻すことを目的とした一連の頭と体の動きです。重力を使って耳石を正しい経路に沿って移動させることで、症状を改善させます。
基本的な原理: 耳石が入り込んだ三半規管の種類(通常は後半規管が多い)を特定し、その三半規管の構造に沿って頭と体を段階的に動かすことで、耳石を三半規管の外へ誘導します。
エプリー法の一般的な手順(右耳の後半規管に耳石がある場合の一例)
注意: エプリー法は、どの半規管に耳石が入っているか、どちらの耳に問題があるかによって手順が異なります。また、自己判断で行うと症状が悪化する可能性もありますので、必ず医師の診断を受け、指導のもとで行うようにしてください。
以下は、あくまで一般的な流れの例です。
座位(準備): ベッドや床に足を伸ばして座ります。
頭を45度回転させる: めまいが起きている側の耳(この例では右耳)の方向に、頭を45度回します。
仰向けに倒れる: そのままの姿勢で、素早く体を後ろに倒し、頭がベッドから少し下がるように(枕などを利用して)仰向けになります。この姿勢を30秒~1分ほど維持し、めまいが治まるのを待ちます。この時、めまいが誘発されることがありますが、耳石が移動しているサインです。
頭を反対側に回転させる: 頭を持ち上げずに、そのままの姿勢で、頭を反対側(この例では左側)に90度回し、そこからさらに45度回す(合計で最初に向けた方向から135度回す)ような形になります。この姿勢も30秒~1分ほど維持します。
体をさらに回転させる: 頭の向きは変えずに、体全体を頭を向けている方向(この例では左側)に90度回転させ、うつ伏せに近い横向きの姿勢になります。この時、顔はほぼ下を向いている状態です。この姿勢も30秒~1分ほど維持します。
ゆっくりと起き上がる: 頭と体の位置関係を保ったまま、ゆっくりと体を起こし、座位に戻ります。
エプリー法の効果と注意点
高い有効性: 良性発作性頭位めまい症に対しては、非常に有効な治療法であり、多くの場合、1回または数回の実施でめまいが劇的に改善すると言われています。約80~90%の人で効果が見られるという報告もあります。
即効性: うまくいけば、すぐにめまいが軽減する即効性も期待できます。
専門医による診断が重要: エプリー法は、BPPVの中でも特に後半規管に耳石が入り込んだ場合に効果を発揮します。めまいの原因は多岐にわたるため、自己判断で行うと効果がないばかりか、かえって症状を悪化させる可能性もあります。必ず耳鼻咽喉科などの専門医を受診し、正確な診断を受けた上で、医師の指導のもとで行うことが重要です。
めまいが誘発されることがある: 体操中に一時的にめまいが強くなることがありますが、これは耳石が動いている証拠とされます。
再発の可能性: 一度改善しても、BPPVは再発することがあります。
エプリー法は、適切に行われれば非常に有効な治療法ですが、めまいの診断と治療は専門知識を要します。ご自身の症状に合わせた適切な治療を受けるためにも、医療機関への受診を強くお勧めします。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、後半規管に耳石が入り込むケースが最も多いです。
その理由は、解剖学的な位置と重力に関係しています。
人が立っている時や仰向けになった時に、後半規管が他の半規管よりも低い位置にあるため、耳石が剥がれ落ちると重力によって後半規管に迷入しやすいとされています。
一度後半規管に入り込んだ耳石は、その構造上、外に出にくい傾向があることも、後半規管型が多い理由の一つと考えられています。
エプリー法は、主にこの後半規管に迷入した耳石を元の位置に戻すために開発された治療法であるため、最も一般的なBPPVのタイプに対応しています。ただし、稀に外側(水平)半規管や前半規管に耳石が迷入する場合もあり、その場合は異なるめまい体操(例えば外側半規管の場合は「ラムバート法」など)が必要になります。
そのため、めまいの診断と治療には、どの半規管に耳石があるかを正確に特定できる専門医の診察が不可欠です。
ブランダート・ダロフ体操(Brandt-Daroff exercises)も、エプリー法と同様に「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」の治療に用いられる体操の一種です。エプリー法が耳石を特定の位置に戻すことを目的としているのに対し、ブランダート・ダロフ体操は、耳石が三半規管内を漂っている状態に体を慣れさせ、めまいを起こりにくくする、あるいは耳石を散らして沈着しにくくすることを目的としていると言われています。
比較的単純な動きで構成されているため、自宅で安全に行いやすいという特徴があります。
ブランダート・ダロフ体操の原理
この体操を繰り返すことで、耳石が三半規管内を移動し、最終的に症状を引き起こさない場所へ移動するか、あるいは脳が耳石の動きによる異常な信号に慣れ(適応)、めまいを感じにくくなることが期待されます。めまいが誘発される動きをあえて繰り返すことで、脳の「めまいに対する慣れ」を促す訓練とも言えます。
ブランダート・ダロフ体操の一般的な手順
注意: エプリー法と同様に、この体操も医師の診断と指導のもとで行うことが重要です。めまいの原因は多岐にわたるため、自己判断で行うと症状が悪化する可能性もあります。
以下は、一般的な手順の例です。左右どちらの耳に問題があるかによって、開始する向きが変わることはありません。
座位(準備): ベッドや床に座り、足を伸ばします。
横向きに倒れる(片側):
頭をめまいが起こる方の反対側(例えば、右耳に問題がある場合は左側)に45度回します。
その状態のまま、体を素早く横(この場合、右側)に倒し、右の肩と耳が床につくようにします。この時、顔は斜め上を向いている状態になります。
この姿勢をめまいが治まるまで、または約30秒間維持します。めまいが誘発されることがありますが、これは耳石が動いているサインです。
座位に戻る: ゆっくりと体を起こし、座った姿勢に戻ります。
横向きに倒れる(反対側):
今度は頭をめまいが起こる方(この場合、右側)に45度回します。
その状態のまま、体を素早く横(この場合、左側)に倒し、左の肩と耳が床につくようにします。
この姿勢をめまいが治まるまで、または約30秒間維持します。
座位に戻る: ゆっくりと体を起こし、座った姿勢に戻ります。
これらの動作を1セットとし、1日に3~5セット、めまいがなくなるまで継続して行うのが一般的です。
ブランダート・ダロフ体操の特徴と注意点
即効性よりは慣れを促す: エプリー法のように即効性があるというよりは、継続することでめまいに慣れさせたり、耳石が沈着しにくい状態にしたりする効果が期待されます。
繰り返しが重要: 効果を得るためには、毎日根気強く続けることが大切です。
めまいが起きても続ける: 体操中にめまいが起きても、めまいが治まるまで、あるいは規定の時間(30秒など)は姿勢を維持することが推奨されます。
専門医の指導: どのめまい体操もそうですが、自己判断で行うのではなく、耳鼻咽喉科などで診断を受け、適切な指導のもとで行うようにしてください。特に頸部や腰部に疾患がある場合は、医師に相談が必要です。
ブランダート・ダロフ体操は、BPPVの再発予防や、より軽度な症状の改善に有効な場合が多いとされています。
メニエール病は、内耳のリンパ液が増えすぎることで起こると考えられている病気で、めまい、難聴、耳鳴り、耳閉感(耳が詰まった感じ)の4つの症状が同時に、あるいは繰り返し起こるのが特徴です。残念ながら、メニエール病を根本的に「解消する」という一人でできる方法はありません。 これは、メニエール病が内耳の異常に基づく病気であり、専門的な診断と治療が必要なためです。
しかし、症状が出た時に少しでも楽にするための対処法や、発作の頻度を減らすための生活習慣の改善策はいくつかあります。これらは「解消法」というよりは「緩和策」や「予防策」に近いものです。
メニエール病発作時の対処法(一人でできること)
安静にする:
めまいが起こったら、すぐに横になるか、座って楽な姿勢をとりましょう。無理に動こうとすると、転倒の危険があり、めまいが悪化することもあります。
頭を低くし、静かで暗い場所で休むのが理想的です。
目を閉じることで、視覚からの情報によるめまい感を軽減できることがあります。
吐き気がある場合:
吐き気や嘔吐がある場合は、吐きやすいように横向きになるなど、楽な姿勢をとりましょう。
脱水にならないよう、少量ずつ水分を補給するように心がけてください(ただし、吐き気が強い場合は無理に飲まない)。
音や光を避ける:
大きな音や強い光は、めまいや耳鳴りを悪化させることがあります。できるだけ静かで薄暗い場所で過ごしましょう。
メニエール病の発作予防・症状緩和のための生活習慣改善(一人でできること)
これらの対策は、メニエール病の発作の頻度や重症度を減らすのに役立つ可能性があります。
ストレスの軽減:
メニエール病はストレスと深い関連があると言われています。ストレスをためない生活を心がけましょう。
リラックスできる時間を作る(入浴、軽い読書、好きな音楽を聴くなど)。
趣味に没頭する、瞑想や深呼吸を行うなども有効です。
十分な睡眠と休息:
疲労は発作の引き金になることがあります。規則正しい生活を送り、十分な睡眠時間を確保しましょう。
食生活の見直し:
塩分制限: 内耳のリンパ液の量を調整するために、塩分を控えることが推奨されます。過度な塩分摂取は、体内の水分バランスを乱し、内耳のリンパ液増加につながる可能性があります。加工食品や外食が多い場合は特に注意が必要です。
カフェイン・アルコールの制限: これらは血管を収縮させたり、利尿作用により脱水を引き起こす可能性があるため、症状を悪化させる場合があります。
規則正しい食事: 低血糖もめまいの一因となることがあります。バランスの取れた食事を規則正しく摂るようにしましょう。
適度な運動:
軽い運動はストレス解消にもなり、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。ただし、発作中は絶対に無理をせず、めまいが落ち着いている時に行いましょう。
平衡感覚を鍛えるような軽い体操も、めまいのリハビリテーションとして有効な場合がありますが、これは医師の指導のもとで行うのが望ましいです。
喫煙の回避:
喫煙は血管を収縮させ、内耳の血流を悪化させる可能性があるため、避けるべきです。
重要な注意点
メニエール病は、自己判断で完全に治せる病気ではありません。 上記の対策はあくまで症状の緩和や予防のための補助的なものであり、必ず耳鼻咽喉科を受診し、適切な診断と治療を受けることが不可欠です。
医師は、症状や検査結果に基づいて、利尿剤や循環改善薬などの薬物療法、あるいは必要に応じて生活指導や精神的なサポート、リハビリテーションなどを提案してくれます。症状が気になる場合は、迷わず医療機関を受診してください。

taVNS(経皮的耳介迷走神経刺激療法:Transcutaneous Auricular Vagus Nerve Stimulation)は、めまいの治療法として近年注目されている比較的新しいアプローチです。これは、耳に分布している迷走神経に、皮膚の上から微弱な電気刺激を与えることで、脳や自律神経系に働きかける治療法です。
taVNSとは?
迷走神経の刺激: 迷走神経は、脳から内臓まで広範囲に分布し、心拍、呼吸、消化、免疫、気分、ストレス反応など、多くの身体機能を調節する自律神経系の一部です。特に副交感神経の主たる神経であり、リラックスや身体の回復に関わっています。
非侵襲的: 従来の迷走神経刺激療法(VNS)は、頸部への外科手術で電極を埋め込む侵襲的なものでしたが、taVNSは耳介(耳たぶの周辺)に電極を貼るだけで刺激できるため、非侵襲的で簡便という特徴があります。
耳介への刺激: 耳介の一部(特に耳甲介腔など)には迷走神経の末端が分布しており、ここに微弱な電気刺激を与えることで、迷走神経を介して脳に信号を送り、自律神経のバランスを整えたり、特定の脳領域に影響を与えたりすることが期待されています。
めまいとtaVNS
めまい、特にメニエール病や自律神経の乱れからくるめまい(浮動性めまいなど)では、自律神経の不調が関与していると考えられています。taVNSは、以下のメカニズムでめまい症状の改善に寄与する可能性が示唆されています。
自律神経の調整: 迷走神経を刺激することで、副交感神経の活動が優位になり、過緊張状態にある自律神経のバランスを整えることが期待されます。これにより、ストレスや不安が原因で悪化するめまい症状の緩和に繋がる可能性があります。
脳への影響: 迷走神経からの信号は、脳幹や視床、扁桃体などの脳領域に伝わり、気分、痛み、睡眠などにも影響を与えると考えられています。めまいの中には、脳の機能的な問題や精神的な要因が複雑に絡み合っているケースもあり、taVNSがこれらの経路に働きかけることで症状が改善する可能性があります。
抗炎症作用: 迷走神経は抗炎症作用を持つことも知られており、内耳の炎症が関与するめまい(例えばメニエール病の発作時など)に対して、間接的に作用する可能性も考えられます。
注意点
研究段階の側面も: taVNSは、てんかんやうつ病、慢性疼痛など様々な疾患に対して研究が進められていますが、めまい治療における確立された治療法としては、まだ研究段階にある部分も多いです。臨床試験が行われ、その有効性と安全性がさらに検証されている最中と言えます。
効果の個人差: 効果には個人差があり、全てのめまいに有効であるとは限りません。
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